「同じ図面に見えるのに総額が違う…」
近年は、建物の技術や価値はさておき、圧倒的に図面や規模を
比較しただけの総額の違いに関する質問も非常に多いです。
それは、どこで建てても一緒、あとはお金と大きさとデザイン
比較ということでしょうか?建築業界もいよいよ危険信号?
そう思うのは、私的には耐震性や断熱性やデザイン性は明らか
に進歩しているが、耐久性や使用素材や建物の質(仕掛けや工
夫)が明らかに退化している事実があるからですかね。
あまりにも後述を無視し過ぎると、かえって生涯住宅に使うお
金が増えてしまいますので、注意して下さいね。
さて、今回の質問に対しては、建物の技術や価値を説明しなけ
れば理解してもらえませんね。
私がチェックしたところ、もう少し目を凝らしてしっかり確認
しなければ気づかない?、それとももう少し建築を知らないと
わからない?といったところでしょうか。
でも、図面や見積に明記されているのですから、しっかり確認
することは忘れないで下さいね。
一部ですが、その見積の違いとは、
・職人工賃が違う
工法に違いがあるので明らか
A社は、職人技術を必要とする工法
B社は、作業員でも説明書を読めば組み立てられる工法
技術職人と作業員では明らかですよね。
時間とお金に縛られる作業と、プライドを掛ける作業の違いは?
目には見えないけど、
丁寧さや「間違いない」と信頼する価値観の違いは?
あとは、効率や合理化や計算式では加味されない、知恵と経験
による数字以上の職人伝統仕掛けなどの違いでしょうか?
手づくり仕掛けの価値は、建築に限らずみなさんご承知の通り
ですよね。
・図面は同じに見えても、一方の見積には全ての収納部&収納
部屋に造作棚&家具が備付提案で明記されている。
・図面は同じに見えても、備付カウンターや木格子、装飾木飾
りが、一方は既製品ではなく天然木の造作品。
・間取りは一緒でも、一方は大きく屋根の出がある。
屋根の出を大きくして、人間と同じように体や足元が濡れない
ように、お家にも大きな傘を差してあげて、外壁の耐久性や劣
化や、お家に注ぐ夏日射の軽減を加味した家づくりなのでしょ
う。
当然、屋根の出の分の職人工賃もありますしね。
このように一部を見比べて、そりゃ職人の家は高いよね!と思っ
てしまいがちですが、家一軒の総額の計算すると作業員&既製
品の住宅の方が高い…
営業費も高いねとも確認できる。
最後は、何を優先し、あなたの求める価値はどこ?という締め
くくり。
見積詳細の紐をとけば、その会社の心意気も伺えますね!
売れる家づくりなのか、それとも必要な家づくりなのか!
なんてね...